アニメの放映をきっかけに、がっつりとカノジョも彼女(以下カノかの)にはまってしまった
いぬがさです。
アニメの勢いそのままに単行本を全巻一気に講読して大いに笑わせてもらいました。
自分が感じた魅力や考えをまとめたので、気になった方にはぜひ読んでもらえれば嬉しいです。
こんな人に薦めたい!
自分の予想の斜め上の発想をしてくるコメディを求めている
個性の強いキャラクターのラブコメを読みたい
二股から始まるラブコメ
自分の知見が狭いせいかわかりませんが、漫画の1話で既に付き合っている女の子に二股をしていいか確認しに行こう! なんて言うラブコメ自分は初めて見ました。
もう最初の1話の序盤の序盤で完全に引き込まれちゃいましたよ。
だけど、保証しますドロドロ骨肉の愛憎劇なんてことにはなりません。
むしろ笑いが絶えないコメディになっているのがカノかのなんです。
1巻ではまっすぐすぎる主人公向井直也(むかい なおや)とそれに振り回される最初の彼女佐木咲(さき さき)、後から直也に告白したこれまた天然で一途な水瀬渚(みなせ なぎさ)が中心になって物語が進んでいきます。
二股を前提とした物語の主人公
二股を提案する直也は女たらしの遊び人ではなく、まったくの逆で非常にまっすぐな性格。
何年も何年も自分がほれていた咲にアタックをしかけ、ようやく付き合えたのです。
そんなところで、直也に想いを寄せていた渚が告白です。
まっすぐで常軌を逸した告白は直也の心を打ち、自分に正直で誠実であろうと生きてきた直也は渚を振ってしまっても後悔するという思考に至ります。
ド誠実、馬鹿正直ゆえに二股という真逆の解決策に至ってしまった直也ですが、もう自分は理解の範疇を超えていてゲラゲラ笑っていました。
なんでそうなってしまうんだ、おかしいだろう、と。
でもキャラクターとして、そのまっすぐさがブレることはまったくないんですよ。
だからこそ二股なんて世間一般ではマイナス要素を抱えているはずの男なのに、不快感はなくおもいっきり笑えるんです。
しっかりとした突っ込みを入れてくれるヒロイン咲
最初に付き合い始めた幼馴染で彼女の咲。
ある日彼氏が連れてきたかわいい子と二股させてくれなんて言ってくれた日にはそりゃマジギレですよ。
キレッキレで読者も思っていたことをズバズバと言ってくれます。
二股なんてそりゃおかしいでしょうと。
しっかりとした拒絶を最初にしてくれたからこそ、読者の共感とメリハリというかこの漫画の世界観でも二股がおかしいことであると伝えてくれます。
ツッコミで手が出ることがあるんですけど、暴力系ヒロインって感じがしないんですよね。
だって二股提案してくる直也がおかしいですもん。
しかしながら、この子流されやすくなし崩しで、実質二股を認めてしまうことに……。
だけど流されやすいだけではないというか、しっかりとしたした芯を咲も持っています。
度量の広さというか、男前というか一種のかっこよさを感じます。
こうなると流されやすいというより、直也を信じて受け入れている部分もあるんじゃないかと。
……渚の魅力に咲も気づいていく段階で、焦りも生じますがそれはラブでコメディなのでご愛敬。
そんなカップルの片割れに告白する豪の者である渚
直也に惚れてしまった渚は自分の時間を、ほぼほぼすべてを捧げて自分磨きを慣行。
……学校に通う時間も犠牲にするほどに。
これには直也も思わず、ムチャしすぎと突っ込みますが、読者である自分もそう思います。
だけどこれくらいぶっとんだ時間と愛情を注ぎこんだからこそ、心うたれるものがあったのでしょう。
可愛くて健気で料理上手、そして一途な女の子ですから直也が惹かれてしまうのも無理はありません。
しかしながら、この子も性根がまっすぐです。
読んでいて本当に直也のことが好きなんだなと伝わってきます。
まっすぐさというか一途さが、一般的な考え方とちょいとずれているというだけなんです。
少しばかりずれた子ではあるのですが、この子もこの子で嫌な子ではなく、魅力的だからこそ二股を軸にしたラブコメが一層面白くなっているんだなと自分は感じました。
ラブコメ王道展開も二股という切り口で新鮮に
1巻を通してハイテンション、ハイペースでカノかの。
ギャグ色が強く進んでいくのですが、勢いそのままに1巻の序盤から3人で直也の家に同棲することになります。
ヒロインと同棲して色々な出来事が起きるなんてラブコメではよくあることなんですが、二股というフィルターを通すとこれまた新鮮味を感じることになります。
付き合う、付き合わないの腹の探り合いではなく、もう二人とも正式にお付き合いをしているわけで、今後のことや相手の真意を確認していくわけです。
そんな展開が始まっても、やはり本編の明るさというかコメディ色の強さは色あせません。
ひたすらボケ! ツッコミ! が成立していきます。楽しい。
ただ、ここまでコメディ色の強さをプッシュしてきましたが、ヒロインたちはかわいいです。
しっかりとラブコメのラブの部分も描写されています。
まさに1粒で2度おいしいですね。
気になる点
自分はゲラゲラ笑っていましたが、やはり二股を軸にしているのでそこが絶対にNO! という方には薦めづらいかなと。
ただ、作中は本当にギャグ時空の明るい描写なので、そこまで気にする必要はないです。
まとめ
まっすぐさゆえに、普通の人から少しズレてしまっている破天荒なキャラクター達が織りなすラブコメディです。
アニメを見た後に漫画版を読みましたが、話の展開を知っているのに思わず笑ってしまいました。
そんな抱腹絶倒のラブコメディをお求めの方には是非おすすめしたい1冊です。