1巻から読む手が止まらずにそのまま2巻も堪能したいぬがさです。
笑えて、それでいてかわいいキャラのラブコメもみたい! な方におすすめの作品です。
ラブコメがさらに加速してギャグのキレも増しているので、ぜひお楽しみください。
※多少のネタバレを含みますのでご注意ください。
1巻の感想はこちら
こんな人におすすめ
内面描写がしっかりとしたラブコメが読みたい!
キレッキレのボケとツッコミのコメディを楽しみたい!
強力なライバルと自分が求められない不安
強力なライバルと自分が求められない不安
1巻の最後で直也とのすれ違いから実家(お隣)に帰ってしまった咲。
ラブコメにおけるキャラクターの内面描写として王道のものがきたなぁ、という印象ですね。
自分が与えられるものがない、求められていないという不安が表にでて感情が爆発した感じです。
1巻の濃いギャグ展開からラブコメとしての展開もしっかりしているなーと読みながら思いましたね。
ただ、重たい展開になるというわけではありません。
もう作品の根底としてテンポのよさというか、キャラクターの常識一歩ズレた感が存在してくれています。
そのおかげで、気楽に漫画を読みたい気分でも読めるのが自分は嬉しいです。
その後の展開として、咲はお隣の実家に帰ったけど、直也との話し合いはせず取り付く島もないといった状態。
だけどその状態を変えるためのきっかけになったのが、もう一人の彼女の渚。
二股で片割れの彼女です。
直也を独占できる状態にも関わらず、間を取り持つきっかけを作ったのがまっすぐな直也の役に立ちたいという一心から協力するのは、本当にまっすぐな直也に惚れているんだなぁと。
咲や渚の描写的に1巻ではギャグに隠れていたけど、キャラクターの内面というか恋愛模様もしっかりと描かれていてるのがすごい好感触に感じられましたね。
なんだかんだ3人同棲の状態になったけど、感情ぶちまけて、打ち解けた状態というか連帯感が強くなったなぁという風に見受けられました。
ヒロイン同士の連帯感が強くなって、友人としても仲がよくなっていくのはいいなぁと思います。
やっぱり仲がいいところ見てた方が嬉しく思いますし。
その仲良くなっていく過程で趣味やキャラクターの個性も掘り下げられて、キャラクターのことを知っていくことができますからね。
そしてその仲良くなっていく回の引きで、新しいキャラクターの影が……。
新しい登場人物の「ミリカ」
しっかりと打ち解けて、いつものように体育倉庫で食事をとるご一行。
そんな場所にどこかで見たことのあるような少女が乱入してきます。
こっそりと食事をしているのを怪しまれただけなのに、主に直也のわざとやっているのかという正直さで二股を洗いざらい白状しちゃうっていう。
嘘もつけないというか、もう洗いざらい白状しちゃう感じで、直也は自分にも他人にも嘘をつけないやつなんだというのが改めて感じたシーンです。
イイやつはイイやつなんだけど、それも常軌を逸しすぎて笑いがこみあげてきましたよ。
予測とか予想はできてるんだけど、もう回避不能な感じの笑いです。
そして、相手側も脅迫とまではいかなくても、いじろうとしただけなのに生々しい直也の誠意の見せ方がガチすぎて、引く始末。
この主人公何事にも全力が過ぎる……。
二股を貫き通すために、誠実さの暴力で周囲に突っ込んでるって感じです。
そのうえで二股が悪いことと自覚しているうえで、周りに誠意を見せて説得すれば納得してもらえると本気で信じ込んでいる芯の強さがもはや恐ろしい……。
しかしながら、渚がふとした機転をきかせ相手の少女が動画投稿者のミリカであることを割り出して形成逆転。
この時から渚の容赦のなさの片鱗がでている感じが、自分は好きでしたね。
彼女持ちに告白からの二股提案に追随するヒロインは、こうでなくっちゃ!
そんなこんなで身バレを恐れたミリカは、自分も彼女になってやると提案したのですがそれは断る直也。
何でもかんでも告白を受けるわけないという正論を、二股をしている主人公が言うだけですでに面白いんですよね。
それにここで断っているから、渚が本当に直也の心をうって二股に移行したのがわかります。
ミリカはプライドの高さから愕然とし、直也を惚れさせるためのアタックを敢行することになるのでした。
喜怒哀楽がはっきりしているキャラクターたち
ただでさえ爆発しかねない関係に、起爆剤として投入されたミリカ。
この作品のキャラクターは全体的に喜怒哀楽がはっきりしていますが、エネルギーがあるせいかミリカは特に顕著な気がします。
体育倉庫で逆に咲たちに圧をかけられて、ミリカが悔しそうな涙目の大きいコマに魅力が詰まってるなと。
ギャグの延長線上かもしれないけど、悔しそうな表情の顔をしっかりと描かれててキャラがいきいきしています。
気になる点
全体的に押しが強いキャラクターが多いですが、作中でミリカは特に押しの強い自信家です。
その性格からくるアクションと1キャラのキャラ掘りとしては、コメディ部分を特に重視している方からはやや冗長かもしれません。
しかしながら、そのキャラ掘りが今後の展開を面白くしてくれていると思いますし、人によっては気にならない範囲だと思います。
現に自分はかなり楽しんで読めていますので、ご安心ください。
まとめ
ここから意地になったミリカの掘り下げ回が2巻のメインです。
三人が同棲しているのを察知し、庭にキャンプ用具を持って籠城を決め込むミリカ。
行動力お化けかな?
もうこの時点でハングリーさ、貪欲さがひしひしと伝わってきます。
寒さにも負けず、虫にも負けず、どんどんたくましくなっていくミリカ。
それに対して、ミリカが少し席を外したところでキャンプ用品の買取を依頼する直也。
両者のテンポ感がここでもえぐいくらいはやい、即決即断。
ここまでの登場人物たちって、行動に移すのが即なんですよね。
それがびっくりするくらいキレのいいテンポ感になってます。
そして、ここでも直也はミリカに対して恐ろしいまでのまっすぐさを発揮。
二股を許している彼女たちに尽くしたいと。
それに少しばかり、心を打たれるミリカですが、その心の打たれ方でいいのか……。
そこに家を留守にしていたのでミリカの父親も襲来。
直也はその父親に対してもまっすぐさを発揮し、ミリカの胸中に変化を促します。
ここまでで、読者の視点でヒロインが主人公を気にし始める描写を一番長くされたのがこのミリカだと思います。
ラブコメの王道ではありますが、やっぱりプライドの高さから直也にアタックしていたけど、ふとしたきっかけで意識してしまうというのは王道でよきかな。
そしてこの漫画のスピード感からしてだいぶツン期(?)がもったなぁと感じましたね。
コメディの面白さをそのままに、ラブコメの描写も楽しめるカノかの2巻。
ぜひとも手に取って楽しんでいただくことをおすすめします。